JUKEN CAMP国語読解バイブル
JUKEN CAMP

国語読解・完全攻略バイブル

現代文編(論説文・小説・随筆) 全74ポイント+巻末付録

★ まずこれだけ覚えろ!BEST 20

  1. 大原則答えは本文の中にしかない。自分の感想で答えるな。
  2. 大原則「しかし」「だが」の後ろに筆者の本音がある。二重線を引け。
  3. 大原則傍線部のヒントは前後2〜3文にある。遠くを探すな。
  4. No.1接続語に○をつけながら読め。道しるべだ。
  5. No.6「確かに〜。しかし…」→「しかし」の後だけが筆者の主張。
  6. No.8難しい言葉で止まるな。プラスかマイナスかだけ判断すれば足りる。
  7. No.13論説文は「AとBを比べて、片方を推す」構造。どっち推しか見つけろ。
  8. No.18「〜にほかならない」「〜べきだ」は確信度MAX。そこが主張だ。
  9. No.27小説の気持ちは、まず「プラスかマイナスか」で分けろ。
  10. No.30体の反応=感情の証拠。「顔が熱い」=恥、「拳を握る」=悔しさ。
  11. No.33気持ちの「変化」を追え。最初→きっかけ→最後でどう変わったか。
  12. No.42「合っていないものを選べ」のNOT問題には大きく×印をつけろ。
  13. No.43「どういうことか」は傍線部を切り分け、パーツごとに本文の言葉へ置き換える。
  14. No.45選択肢は消去法。正解を探すな、間違いを消せ。
  15. No.46選択肢は前半と後半に分けて、それぞれ本文と照合しろ。
  16. No.47「すべて」「必ず」「だけ」が入った選択肢は9割ウソ。
  17. No.48本文にないけど「常識的に正しい」選択肢は罠。
  18. No.57記述は本文のキーワードを使え。自分の作文をするな。
  19. No.60記述の語尾は問いに合わせる。「なぜ→〜から」「どういうこと→〜こと」。
  20. No.64問題文の「条件」を見落とすな。条件ミスは中身が合っていても0点。

国語読解の「3大原則」

《大原則1》答えは「本文の中」にしかない。

自分の感想や常識で答えてはいけない。「筆者がどう書いているか」だけが正解だ。国語のテストは「あなたの意見」を聞いていない。「この文章には何と書いてあるか?」を聞いている。たとえ自分が「絶対こうだ」と思っても、本文に書いていなければ不正解。

答えを選んだら「本文のどこが根拠か」を指でさせるかを確かめる。さされない答えは、勘で選んでいる証拠だ。

《大原則2》筆者の言いたいことは「形を変えて何度も出てくる」。

同じことを、①難しい言葉で言う → ②例え話で言う → ③まとめ直す。この3つはぜんぶ「同じことの言い換え」だ。だから、一か所わからなくても大丈夫。別の場所でもっと優しく言ってくれている。

「同じようなこと、さっきも見たな」と思ったら、それが筆者の主張だ。

《大原則3》ヒントは「傍線部のすぐそば」にある。

傍線が引かれたら、遠くを探す前に「前後2〜3文」を徹底的に読め。答えの多くはそこにある。

探す順番を固定しておけ。①傍線部の前後2〜3文 → ②その段落全部 → ③同じ話題を扱っている別の段落 → ④最終段落(結論)。この順で探すから速い。①を飛ばして本文の端から探し始めるのが、一番時間を溶かす読み方だ。

第1章 文章の論理を追う(筆者の合図を拾う)

この章で一番大事な3つ:No.1(接続語に○)、No.3(逆接の後ろ)、No.6(「確かに」は筆者の意見ではない)

1

「接続語」に○をつけながら読め。これが最強の武器だ。

接続語は文と文のつなぎ目に立っている「道しるべ(標識)」。読解は、この道しるべを追いかけるゲームだと思っていい。

書き込み例多くの人は便利さを求める。しかし、便利さの中で私たちが失ったものがある。
2

接続語は6種類。これだけ覚えれば空欄補充も落とさない。

ほかに対比・選択(一方・むしろ・または)と転換(さて・ところで)がある。空欄補充は「前と後ろがどの関係か」だけで決まる。意味で選ぶな、関係で選べ。

3

「しかし」「だが」「ところが」の後ろには二重線を引け。

逆接の後ろは、筆者が一番言いたいことが来る「ゴールデンゾーン」。ここだけ読んでも主張がわかることすらある。

多くの人は便利さを求める。しかし、便利さの中で私たちが失ったものがある。→ 二重線の部分が筆者の主張。
4

「つまり」「要するに」の後ろにも線を引け。

これは筆者が「わかりにくかったよね?まとめるとこういうことだよ」と親切に教えてくれている箇所。記述問題の答えに使える表現がそのまま入っていることが多い。

5

「たとえば」の後ろの具体例は、読み飛ばしてもいい。

ただし「その例は何を言いたくて出しているのか?」は必ず把握する。例え話の前後にある「まとめの文」とセットで理解すること。

例外:その具体例に傍線が引かれていたら精読する。「なぜこの例を挙げたのか」を問う設問は、例そのものではなく、その前後のまとめ文が答えになる。

6

「確かに〜。しかし…」の「確かに」は筆者の意見ではない。

これは「譲歩」という形。「あなたの言うことも一理あるけどね……でも本当はこうだよ」という構造。「しかし」の後ろだけが筆者の主張だ。

確かにスマホは便利だ。しかし、それに頼りすぎると……→ 筆者はスマホを「心配」している。「便利だ」は筆者の本音ではない。
7

「〜だろうか?」という疑問文には2種類ある。

①本当に読者に問いかけている場合と、②「いや、そうじゃない!」という強い否定(反語)の場合がある。その直後の文を読めばどちらかわかる。反語の場合、直後に筆者の本音が来る。

「それで本当に幸せになれるだろうか。」→直後に「そんなはずはない」などが来たら反語。「なれない!」という強い否定。
8

難しい言葉が出てきても、絶対に止まるな。

知らない言葉が出ても、前後の文を読めば「だいたいこういう意味かな」と推測できる。完璧にわからなくても「プラスの意味か、マイナスの意味か」だけわかれば十分

9

読点(、)が多い長い文は「誰が」「何を」「どうした」だけ抜き出す。

主語と述語を見失うと、意味が取れなくなる。長い文は「骨」だけ残して読め。途中の修飾語は後から補えばいい。

10

文章の種類を見分けろ。これで読み方が変わる。

読み方のコツがそれぞれ違うので、最初に見分けることが大事。

11

「 」(カギカッコ)がついた言葉に注意。

筆者がわざとカギカッコをつけている場合、「世間ではこう言うけど、自分は違う意味で使っている」か「この言葉を疑っている」というサイン。

第2章 論説文・評論文の読み方(筆者の主張を見つける)

この章で一番大事な3つ:No.13(二項対立)、No.14(世間の逆を推す)、No.18(強い語尾)

12

論説文は「筆者の主張(言いたいこと)」を見つけるゲームだ。

筆者には必ず「伝えたいメッセージ」がある。それを見つけたら勝ち。文章の全部を完璧に理解する必要はない。「結局何が言いたいの?」がわかればOK。

13

「二項対立」を探せ。論説文の8割はこの構造だ。

「西洋と日本」「自然と人工」「昔と今」「科学と文学」「個人と社会」——筆者はAとBを比べて、片方を推している。どっちを推しているか見つけろ。これがわかれば、主張の半分は見えたも同然。

「近代科学は合理性を重んじるが、昔の人々は自然との調和を大切にしていた」→「昔」と「今」の対比。筆者がどちらを良いと思っているかを探す。

見つけたら、本文の余白に A ⇔ B と書き、推している方に をつける。これだけで選択肢問題の正答率が変わる。

14

筆者が推しているのは、たいてい「世間が軽く見ている方」だ。

よくあるパターン:「みんなは○○が大事だと思っているけど、本当は△△だ」。特に「昔の方が良かった」「自然が大事」「便利さの裏に問題がある」は超頻出パターン。

ただしこれは当たりをつけるための予想にすぎない。必ず本文の言葉(No.18の強い語尾・最終段落)で確認してから答えを決めろ。予想のまま答えるのは大原則1の違反だ。

15

「〜とは……である」という定義文を見つけたら、大きく線を引け。

筆者が「この言葉をこういう意味で使いますよ」と宣言している文。論理の出発点になるので、見逃すと文章全体がわからなくなる。

16

「一般に〜」「ふつうは〜」「〜と言われている」の後には反論が来る。

これは筆者が「世間の常識」を紹介しているだけ。自分の意見ではない。その後に「しかし本当は〜」と筆者自身の主張が続く確率が非常に高い。

「一般に、教育は知識を伝えることだと思われている。しかし〜」→「しかし」以降が筆者の考え。
17

引用(「○○氏によると」「○○は〜と述べている」)→賛成か反対かを見極める。

筆者がその人の意見を「味方(自分と同じ意見だから紹介)」として使っているのか、「敵(批判するために紹介)」として使っているのか。直後の文でわかる。

18

「〜にほかならない」「〜べきだ」「〜ねばならない」は確信度MAX。

こういう強い語尾が出たら、それは筆者が一番力を込めている主張。ここに線を引いておけば、あとで設問を解くときに大きな武器になる。

仲間:「〜のである」「〜こそが」「〜と言わざるをえない」「まさに〜だ」。

19

「〜にすぎない」は「たったそれだけのこと」という否定的な評価。

「それは単なる思い込みにすぎない」→筆者はその考えを低く見ている、という意味。

20

「第一に」「第二に」「第三に」と出てきたら、指を折って数えろ。

いくつの理由・論点があるか整理する。記述問題で「理由を2つ書け」と言われた時に、漏らさないため。

21

筆者が使う大きな言葉は「この文章の中での意味」で理解する。

たとえば「自由」「文化」「豊かさ」などの大きな言葉は、筆者が独自の意味を与えていることがある。辞書の意味で読むとズレる。本文中の説明を見つけること。

22

「事実」と「意見」を混同するな。

「日本の人口は減っている」→事実。「人口減少は深刻だ」→意見。設問で問われているのがどちらかを見極める。

23

「AではなくB」と来たら、Aに×、Bに◎。

筆者はBを主張したいのであって、Aは否定されている側だ。シンプルだが超重要。

「大切なのは速さではなく、正確さだ」→ 選択肢が「速さが大切」と書いていたら即×。
24

「逆のことを言っているようで実は深い意味がある」表現に注意。

「負けるが勝ち」「不自由だからこそ自由だ」のように、一見矛盾しているが真理を突く表現(逆説)は設問になりやすい。「どういう意味で矛盾していないのか」を本文の言葉で説明できれば、それが答えになる。

25

筆者がわざと反対のことを言っている(皮肉)に騙されるな。

「それは実に素晴らしいことだ」と書いてあっても、前後から「本当はダメだと思っている」とわかる場合がある。言葉だけでなく、文脈で判断すること。

26

最終段落は「結論」か「今後への問いかけ」。必ず注意して読む。

論説文の最後は、筆者が「結局こういうことだ」とまとめるか、「これからどうすべきか」を語っている。文章全体の主張を確認するのに最適な場所。

ただし最終段落が具体例や余談で終わる文章もある。その場合は「つまり」「〜べきだ」がある文(No.4・No.18)まで戻って主張を確認する。

第3章 小説・随筆の読み方(気持ちの変化を追う)

この章で一番大事な3つ:No.27(プラスかマイナスか)、No.30(体の反応)、No.33(気持ちの変化)

27

気持ちは「プラス」か「マイナス」かでまず分けろ。

喜び・安心・期待=プラス。悲しみ・怒り・不安・後悔=マイナス。細かい感情の名前がわからなくても、プラスかマイナスかだけ判断できれば選択肢を半分に絞れる。まずはこれだけでいい。

28

小説は「出来事→気持ち→行動」のセットで読め。

何かが起きる→それで登場人物がどう感じる→だからどう行動する。この3つのつながりを追いかけるのが小説読解の基本だ。

友達にひどいことを言われた(出来事)→悲しくなった(気持ち)→家に帰ってひとりで泣いた(行動

設問で問われるのは、たいてい真ん中の「気持ち」。だから答えは出来事(原因)と行動(結果)の間から探す

29

情景描写(天気・風景・光・音)は、心の中を映す鏡だ。

雨が降っている=暗い気持ち。空が晴れてきた=気持ちが明るくなった。夕焼け=切なさや別れ。こういう「お約束」を知っていると心情が読める。

ただし逆に使うこともある。「空はどこまでも晴れているのに、自分の心だけが沈んでいた」のように、わざと反対に置いて心情を強調する書き方もある。お約束は当たりをつけるためのもので、最後は本文の言葉で決める。

30

体の反応に注目しろ。それが感情の証拠だ。

「顔が熱くなる」=恥ずかしさか怒り。「胸が締めつけられる」=悲しみ。「拳を握る」=悔しさ。「視線を落とす」=罪悪感。「肩の力が抜ける」=安心。体は正直だ。

31

「〜げに」「〜そうに」は心情語そのもの。

「寂しげに笑った」「つらそうに目をそらした」——こういう表現が出たら、そこがそのまま心情の答えになる。見つけたら線を引け。

32

セリフ(会話文)だけで判断するな。地の文に本音がある。

人は口では「大丈夫」と言いながら、本当は全然大丈夫じゃないことがある。地の文(ナレーション部分)に「しかし、その手は小さく震えていた」とあれば、本音は不安だ。

33

気持ちの「変化」を追え。最初→きっかけ→最後でどう変わったか。

テストで聞かれるのは「気持ちそのもの」より「どう変わったか」であることが多い。「最初は〜だったが、○○をきっかけに〜になった」と言えるようにする。

記述の型最初は【マイナスの気持ち】だったが、【きっかけの出来事】によって【プラスの気持ち】に変わった。
34

登場人物の「呼び方」が変わったら、関係の変化だ。

「田中さん」→「田中」→「ゆうき」のように呼び方が変われば、心の距離が縮まったということ。逆に丁寧になったら、距離が広がった可能性もある。

35

沈黙のシーン=言葉にできないほど強い感情。

何も言わない ≠ 何も感じていない。むしろ逆で、言葉にならないほどの怒り・悲しみ・戸惑い・感動を表している。

36

小道具(アイテム)は心理の象徴。

壊れた時計=止まった時間。枯れた花=失われた関係。物が何かの象徴として使われていることに気づけると、深い読みができる。

37

「誰の目で見ているか(視点人物)」を固定する。

一人称(「僕」「私」)の物語は、その人の心しかわからない。他の人物の気持ちは、あくまで「推測」であって「事実」ではない。選択肢が別人の心を言い切っていたら疑え。

38

回想シーンが出てきたら、「今」との対比を意識。

「昔は楽しかった(でも今はつらい)」「あの頃は何もわかっていなかった(でも今は成長した)」。回想は、今の状況を浮き彫りにするために使われる。

39

「〜ようとした」は「迷い」や「ためらい」のサイン。

「声をかけようとした——が、やめた。」→実際にはやっていない。やろうとしてやめたという心理を読み取る。

40

随筆(エッセイ)は「体験+考えたこと」のセット。

前半に具体的な体験談、後半にそこから考えたこと(筆者の意見)が来る。意見は後半にあることが多い。つまり体験部分は具体例、後半が主張。論説文と同じ読み方に切り替えろ。

41

小説のラストが曖昧なときは「テーマのヒント」だ。

はっきりした結末を書かない終わり方は、「読者に考えてほしい」という筆者の意図。その物語が「本当に伝えたかったこと(テーマ)」を考えるきっかけになる。

第4章 設問の解き方・選択肢の見抜き方

この章で一番大事な3つ:No.45(消去法)、No.47(極端な言葉は疑え)、No.57(記述は本文の言葉で)

42

「合っていないものを選べ」(NOT問題)には大きく×印をつけろ。

毎年、NOT問題で「合っているもの」を選んで失点する受験生が大量にいる。問題文に×印をつけるだけで防げるミスだ。印をつける2秒で5点を守れる。

やり方「本文の内容と合っていないものを一つ選べ」の「合っていない」に × と書き込む。選択肢を消すときも「合っている=消す」に頭を切り替える。
43

「どういうことか?」→傍線部を切り分けて、パーツごとに本文の言葉に置き換える。

言い換え問題は、感覚で答えるものではなく作業だ。手順はこれ。

その営みは/人間の証しだ」→「その営み」=本文の言葉に置換/「人間の証し」=本文の言葉に置換 → つなげて「〜が〜であるということ。」
44

「なぜか?」→「〜から」「〜ため」で終わる答えを作れ。

理由を問う問題は、文末を「〜から。」で結べるかチェック。結べなければ答えがズレている。

書いたら因果チェックをする。「(自分の答え)だから、(傍線部)」と声に出して読み、自然につながればOK。つながらなければ根拠が違う。

45

選択肢は「消去法」が鉄則。正解を探すな、間違いを消せ。

4つの選択肢から「これが正解!」を当てるのは難しい。でも「これは明らかに違う」を見つけるのは比較的カンタン。1つずつ×を消していけ。

アは「すべて」と書いてあるから × → ウは本文に書いてないことを言っているから × → 残ったイとエで、本文の根拠に近い方を選ぶ。
46

選択肢は「前半」と「後半」に分けて、それぞれ本文と照合しろ。

前半は合っているけど後半がズレている——これが一番多い罠。選択肢の最後の部分まで気を抜くな。長い選択肢には自分で/を入れて切る。

47

「すべて」「必ず」「だけ」「のみ」「絶対に」→9割ウソ。

こういう極端な言い切り表現は、たいてい本文にそこまで書いていない。見つけたらまず疑え。

残りの1割:本文にも同じ強さで書いてあるときは正解になる。「疑う」=「即×」ではない。本文に戻って強さを比べろ。

48

本文にない「一般常識」が書かれた選択肢は罠だ。

世間一般では正しいことでも、本文に書いてなければ×。「常識的に正しい」と「本文に書いてある」はまったく別物だ。これは大原則1の応用。

49

本文の言葉をそのままコピーしている選択肢は、意外と正解じゃないことがある。

本文の言葉だけ借りて意味が微妙にズレている「オウム返し」の罠。逆に、本文の内容を正しく「言い換えている」選択肢の方が正解になりやすい。

判断基準は「言葉が同じか」ではなく「内容が同じか」。ここを間違えるとNo.54と矛盾する。

50

原因と結果が逆になっていないか確認しろ。

本文に「AだからBになった」と書いてあるのに、選択肢が「BだからA」とすり替えているパターン。よくある罠だ。

本文:「雨が降ったから試合が中止になった」
× な選択肢:「試合が中止になったから雨が降った」——原因と結果が逆!
51

「ちょっと影響がある」を「大きな影響がある」と盛っている選択肢は×。

本文にはおだやかに書いてあるのに、選択肢が大げさにしている(盛りすぎ)パターン。逆に、本文より控えめすぎる(小さくしすぎ)パターンもある。

52

理由のヒントは傍線部の「後ろ」にあることも多い。

「〜からだ。」「その原因は〜。」のように、理由を後から説明する書き方がある。前だけ見て決めるな。前後の両方を見るのが原則(大原則3)。

53

「指示語(これ・それ・あのこと)」が問われたら、直前を探す。

指示語の内容を見つけたら、指示語をその内容に入れ替えて読んでみる。文の意味が通じれば正解。通じなければやり直し。

注意:指示語は一文だけでなく、前の数文や段落全体をまとめて指すこともある。「一語だけ」で探すと足りないことがある。

54

迷って2つに絞れたら、「本文の根拠に近い方」を選べ。

どちらも合っているように見える時は、本文の内容により忠実な方が正解。「本文のどこが根拠か」を指さしできる方を選べ(大原則1)。

55

迷ったら「本文と同じ広さ・同じ強さ」の方を選べ。

本文より広げすぎ(言い過ぎ・一般化しすぎ)も、本文より狭すぎ(限定しすぎ)もどちらも×。「本文の書きぶりにピタリと重なるサイズ」を選ぶ。No.47・No.51とセットで使え。

本文「都市では〜の傾向がある」
× 広げすぎ:「日本人はすべて〜である」/× 狭すぎ:「東京のA地区だけが〜である」
56

選択肢同士を比べるな。選択肢と「本文」を比べろ。

アとイで迷うとき、アとイを見比べ続けても答えは出ない。それぞれを本文に戻って確認すること。

57

記述問題は、本文の言葉(キーワード)を必ず使え。自分の作文をするな。

記述の答えは「本文から拾って組み立てる」もの。自分のオリジナルの表現で書くと、採点者が根拠を確認できないので点にならない。

58

記述の字数は「8割以上(できれば9割)」埋める。

40字以内なら32字以上、60字以内なら48字以上。少なすぎると、必要な要素が入っていないと見なされる。

59

字数が足りないときは「修飾語」を足す。多すぎるときは「具体例」を削る。

「どんな」「どのように」をつけると字数が増える。逆に、たとえ話を削って短くまとめると字数が減る。削ってはいけないのはキーワードと語尾

60

記述の末尾は、問いに合わせた語尾にする。

問い語尾
なぜか/理由を書け〜から。/〜ため。
どういうことか〜(という)こと。
どういう気持ちか〜という気持ち。
どのような人物か〜な人物。(問いの名詞で終える)
どう変わったか〜から〜に変わった。

語尾がズレると、中身が合っていても減点される。書き終わったら語尾だけもう一度見ろ。

61

空欄補充は、前後の「流れ」から攻める。

空欄の前に「しかし」があれば、前の内容と反対のことが入る。「だから」があれば、前の内容の結果が入る。プラスかマイナスかだけでも判断せよ。接続語の空欄はNo.2の6分類で決める。

62

「文をどこに入れるか(脱文挿入)」は、指示語と接続語が手がかり。

その文に「これ」「そのため」などがあれば、「これ」が指す内容の直後に入る。試しに入れてみて、前後の文と自然につながるか確認する。

63

「書き抜き問題」は一字一句正確に。句読点も含めて。

自分の言葉で書き直してはいけない。本文からそのままコピーするのが「書き抜き」。一文字でも違えば0点。

指定字数は最大のヒントだ。「15字で抜き出せ」なら、候補はその長さのカタマリしかない。まず字数を数えて候補を絞れ(→巻末付録C)。

64

問題文の「条件」を見落とすな。

「本文中の言葉を使って」「30字以内で」「第3段落から」「ひらがなで」——条件を守らないと、中身が合っていても0点になる。問題文の条件部分に線を引け

第5章 表現技法を見抜く

この章で一番大事な3つ:No.65(二重否定)、No.67(比喩の答え方)、No.72(直喩と暗喩)

65

「二重否定」は否定の数を数えて判断する。偶数=肯定、奇数=否定。

否定が2つ重なれば肯定になる。マイナス×マイナス=プラスと同じ考え方。ただし数え間違えると意味が真逆になるので、必ず指で数えろ。

○ 否定2つ=肯定「その努力が意味だったわけではない」→ 否定2つ → 「意味はあった」
× ひっかけ・否定3つ=否定のまま「その努力が意味でないとは言えない」→ 否定3つ(無・ない・言えない)→ 「意味があるとは言い切れない」。うっかり「意味がある」と読むと真逆になる。

もうひとつ大事なこと。二重否定には強さの差がある。ここを混同すると選択肢問題で落とす。

本文が控えめな二重否定なのに、選択肢が「強く主張している」と書いていたら、それは盛りすぎで×(No.51)。

66

「倒置法」は、後ろに持ってきた言葉を強調している。

「美しいのだ、この風景は。」→普通は「この風景は美しい」。わざわざ語順をひっくり返しているのは「美しい」を強調したいから。

67

「比喩」の説明問題では、たとえを「そのまま訳す」のはダメ。

「心に花が咲いた」を「花が咲いたということ」と答えてはいけない。「うれしい気持ちでいっぱいになったということ」のように、比喩が「本当は何を言いたいのか」を答える。

手順は決まっている。①たとえられているもの(心)を特定 → ②たとえ(花が咲く)が持つイメージを言葉にする → ③たとえの言葉を消して書く。答えの中に比喩の言葉が残っていたら、それは訳せていない証拠だ。

68

「体言止め」は余韻を残す技法。

「広がる青い空。」のように名詞で文を終わらせる。映画のラストシーンのように、余韻を感じさせる効果がある。

69

「擬人法」は人じゃないものを人のように描く。

「風がささやく」「空が泣いている」。対象に親しみを感じさせたり、情景を鮮やかにする効果。情景描写と組み合わさると、そのまま心情のヒントになる(No.29)。

70

「省略(……)」には、言葉にできない深い感情がある。

文が「……」で終わっている場合、あえて書かないことで感情の深さを伝えている。

71

「〜こそ」は「これだけは絶対に!」という最強の強調。

「今こそ行動すべきだ」→「他のときじゃなく“今”が一番大事」という意味。

72

直喩と暗喩の違いを知っておけ。

「心の花が枯れた」のような暗喩の方が設問になりやすい。

73

「受身(〜れる・られる)」は、主語が「される側」のサイン。

「叱られた」「振り回された」→主語がどうしようもない状況にいることを示す。

74

「使役(〜させる)」は力関係を示す。

「やらせる」「行かせる」→誰かが誰かを動かしている。上下関係のヒント。

巻末付録

付録A 読解の3本の筋(設問はこの3つしか聞いてこない)

設問を見たら、まず「どの筋を聞かれているか」を判定する。判定できれば、探す場所が決まる。

目印になる言葉聞かれ方
①イコール(言い換え)つまり・要するに・たとえば・比喩「どういうことか」「言い換えている部分を抜き出せ」
②対立(対比)しかし・一方・〜ではなくB・確かに〜「筆者の主張は」「AとBの違いを説明せよ」
③因果(原因→結果)だから・なぜなら・〜ため・〜から「なぜか」「理由を書け」

①は抽象と具体の関係でもある。「難しい言い方(抽象)」と「例え話・具体例(具体)」は同じことを言っている。だから具体例がわからなくても、その前後のまとめ文を読めばいい。逆に、まとめ文が難しければ、具体例から意味を推測すればいい。

付録B 記述問題の「型」5パターン

記述は作文ではない。型に本文の言葉を入れるだけの作業だ。

  1. 理由「〔本文の根拠〕から。」 → 書けたら「根拠だから傍線部」と音読してチェック(No.44)
  2. 言い換え「〔パーツA=本文の言葉〕が〔パーツB=本文の言葉〕だということ。」(No.43)
  3. 心情「〔出来事〕で、〔心情語〕という気持ち。」 → 原因を必ず入れる。心情語だけでは足りない
  4. 変化「最初は〔A〕だったが、〔きっかけ〕によって〔B〕に変わった。」(No.33)
  5. 要約(50字)「筆者は〔対象〕について、〔主張〕だと述べている。」

共通ルール4つ:①本文の言葉を使う ②指定字数の8〜9割 ③句読点も1字 ④語尾を問いに合わせる

採点は要素ごとだ。「原因」「心情」など入れるべき要素が1つ入れば部分点が入る。だから白紙にせず、要素を1つでも書く。自己採点も、模範解答と丸ごと比べるのではなく「要素がいくつ入ったか」で数える。

付録C 抜き出し問題の手順(5ステップ)

  1. 指定字数を問題文からメモする(例:15字)
  2. 傍線部の中のキーワードを1つ決める(何について探すのか)
  3. そのキーワードと同じ言葉・似た言葉が出てくる場所を、大原則3の順番で探す
  4. 候補を見つけたら字数を数える(句読点も1字)。合わなければ切れ目をずらす
  5. 写したら、本文と自分の答えを指でたどって1字ずつ照合する

コツ:抜き出しの答えは、たいてい「つまり」「要するに」の後ろ最終段落にある。まとめの文=出題者が抜かせたい文だ。

付録D 論説文の頻出語彙(対立をつかむ道具)

論説文は「AとBを比べて片方を推す」構造(No.13)。対になる言葉を知っていれば、その軸が一瞬で見える。

  1. 具体 ⇔ 抽象
  2. 主観 ⇔ 客観
  3. 普遍 ⇔ 特殊(個別)
  4. 絶対 ⇔ 相対
  5. 必然 ⇔ 偶然
  6. 本質 ⇔ 現象
  7. 全体 ⇔ 部分
  8. 理性 ⇔ 感性
  9. 精神 ⇔ 物質
  10. 能動 ⇔ 受動
  11. 自然 ⇔ 人工(人為)
  12. 伝統 ⇔ 革新
  13. 近代 ⇔ 前近代(昔)
  14. 西洋 ⇔ 東洋(日本)
  15. 個人 ⇔ 社会(共同体)
  16. 都市 ⇔ 地方
  17. 効率 ⇔ むだ・ゆとり
  18. 理想 ⇔ 現実

意味を押さえておきたい語:相対化=絶対だと思っていたものを「一つの見方にすぎない」と見直すこと/合理化=むだを省いて効率よくすること/疎外=人間らしさが失われ、よそよそしいものになること/概念=ものごとをまとめてとらえた考え/アイデンティティ=自分が自分であるという感覚/逆説(パラドックス)=矛盾のようで真理を含む言い方。

本文でこの対を見つけたら、余白に A ⇔ B と書き、筆者が推している側に ◎ をつける。それだけで選択肢が半分に切れる。