JUKEN CAMP国語読解バイブル
JUKEN CAMP

国語読解・完全攻略バイブル

中学生の現代文読解|本文を読む → 根拠を見つける → 正解を作る

まずこれだけ覚えろ!BEST 20

1〜3は次の3大原則に対応。括弧内は本文の解説番号で、ページ番号ではない。

  1. 根拠答えの根拠は本文。「自分なら」より「どこにそう書いてあるか」。(30)
  2. 主張筆者の言いたいことは「形を変えて何度も出てくる」。共通する考えを拾う。(7)
  3. 根拠探し傍線部は含まれる一文と前後から読み、足りない根拠をたどる。(20)
  4. 設問「何を答えるか」を決めてから探す。理由・意味・気持ちを取り違えない。(19)
  5. 一文長い文は「誰が・何が/何を/どうした」を結び直す。(1)
  6. 指示語「これ・それ」は、中身に置き換えて文が通るか確かめる。(2)
  7. 逆接「しかし」の前後を比べ、どの考え・予想を切り返したかを読む。(4)
  8. 具体例具体例を読んだら、「この例で何を伝えたい?」とまとめに戻る。(8)
  9. 対比対比は「何と何を、何について比べたか」をそろえる。(9)
  10. 意見一般論・他人の意見と、筆者の考えを分ける。(10)
  11. 理由「なぜか」は、その理由だから傍線部のことになるか確かめる。(22)
  12. 意味「どういうことか」は、指示語・比喩・抽象語を具体的に言い直す。(21)
  13. 選択肢選択肢は単語の一致より、意味とつながりの一致で選ぶ。(23)
  14. 消去法誤答は本文と違う箇所、本文から言えない箇所を特定して消す。(23)
  15. 二択二択で迷ったら、二つの違う部分だけを本文と照合する。(24)
  16. 心情小説は出来事・言動・人物の願いを結んで気持ちを読む。(13・14)
  17. 変化心情の変化は変化前 → きっかけ → 変化後を押さえる。(15)
  18. 記述記述は必要な内容をそろえてから、一文にまとめる。(25)
  19. 抜き出し抜き出しは意味で探す → 範囲を決める → 字数を確かめる。(26)
  20. 復習解き直しでは正解の根拠と、自分の誤りの理由を説明する。(32)

国語読解の「3大原則」

《大原則1》答えの根拠は「本文の中」にある。

本文に書かれた言葉と、そのつながりから答える。心情のように答えの言葉が直接なくても、描写を結べば説明できる。資料付きの問題では資料も根拠にする。自分の意見を求められたら、本文の理解を踏まえて自分の理由を書く。

《大原則2》筆者の言いたいことは「形を変えて何度も出てくる」。

論説文では、同じ考えを説明・具体例・言い換えで伝える。同じ単語の回数より、違う表現に共通する考えを見る。次の三つを結んでみよう。

主張 「少しずつでも続けることが力になる。」
具体例 「毎日五分音読したら、長い英文も読めるようになった。」
言い換え 「小さな積み重ねが成長を生む。」

「少しずつ続ける」は、例では「毎日五分音読する」に当たり、「小さな積み重ね」と言い換えられている。「力になる」は、例では「長い英文も読めるようになる」であり、「成長」に当たる。

三つを結ぶと、筆者が伝えたいのは「少しの努力でも、続けて積み重ねることが力を伸ばす」という考えだと分かる。「英語の音読」だけが話の中心なのではなく、音読を例にして「継続の大切さ」を伝えている。反対意見が出てきたら、筆者自身の考えと区別する。

《大原則3》答えの根拠は、まず傍線部の前後から探す。

傍線部について問われたら、傍線部だけでなく、それを含む一文と前後の文を読む。理由・指示語の中身・気持ちのきっかけなどが、近くで説明されていることが多い。問われた内容に合う根拠を結び、答えにする。

本文 「一人で発表するのが不安だった。友人が『一緒に出よう』と言ってくれた。私はほっとした。」
問 なぜ「ほっとした」のか。
根拠の結び方 前の二文から「一人で発表する不安」と「友人が一緒に出てくれること」を結ぶ。
答え 一人で発表するのが不安だったが、友人が一緒に出てくれると分かったから。

前後だけで根拠がそろわなければ、指示語や同じ話題をたどり、離れた箇所まで探す。「必ず前後だけに答えがある」という決まりではない。文章全体の主張を問う問題では、全文を結んで考える。

この一冊の使い方

まずBEST20で読むとき・解くときの着眼点をつかみ、各項目の短い例で「どこを根拠に、どう考えるか」を確かめる。学校の問題や過去問で迷ったら、該当する項目や巻末付録に戻ろう。解き方を知るだけでなく、目の前の本文で使うための一冊として活用する。

第1章 読み違いを防ぐ

一文の意味があいまいなときに使う。すべての文を文法問題のように分解する必要はない。

1

長い文は「誰が・何が/何を/どうした」を結ぶ。

人物や説明が多く、何が起きたか分からなくなったら、文末の述語から「誰が?」「何を?」と戻る。これが主語と述語を押さえる使い方。「どうだ」「何だ」という状態・性質も読み、主語が省かれていたら前後から補う。骨組みを見つけたら、理由・対象・条件も戻して意味を取る。

本文 父に反対されても計画を変えなかった姉を、私は頼もしく思った。
問 誰が、誰を、どう思ったか。
読み方 私は → 姉を → 頼もしく思った。「父に反対されても計画を変えなかった」は姉の説明。
答え 私が姉を頼もしく思った。
誤答の理由 「父が姉を頼もしく思った」は、感情を持った人物の取り違え。理由を聞かれたら「父に反対されても計画を変えなかったから」まで必要。
2

指示語は、中身を入れ直して確かめる。

まず直前を探し、物・行為・出来事のどれを指すかを考える。候補を「これ・それ」の位置に入れ、後ろの文とつながるか読む。近くの名詞を一つ拾うだけで終わらない。後ろで中身が説明される場合もある。

本文 分からない言葉を調べ、その言葉を使って短文を書く。この習慣が語彙を増やす。
問 「この習慣」とは何か。
答え 分からない言葉を調べ、その言葉を使って短文を書くこと。
誤答の理由 「言葉」は習慣ではない。「調べること」だけでは、繰り返す行為の後半が抜ける。
3

否定・限定・程度を残して読む。

「ない」「だけ」「すべて」「場合がある」「少し」が何にかかるかを確かめる。要約や選択肢でも、その範囲と強さを保つ。「必ず〜とは限らない」は「〜でない場合もある」という意味で、全面否定にはならない。

本文 話し合っても、必ず意見が一致するとは限らない。
合う説明 話し合っても、意見が一致しない場合がある。
合わない説明 話し合っても、意見は一致しない。
判定 後者は、一致する場合まで否定している。「一致しないこともある」と範囲を保つ。
4

「しかし」は、前後の何が食い違うかを見る。

逆接の後ろには、前の考えへの反論や予想に反する展開が来る。前の内容 → 普通なら予想すること → 実際の後ろの内容を確かめる。後ろは注意して読む場所だが、それだけで筆者の本音や文章全体の主張とは決めない。

本文 練習では一度も失敗しなかった。しかし、本番では途中で言葉が出なくなった。
問 「しかし」は何を結んでいるか。
答え 練習では成功していたことと、本番では失敗したこと。
使い方 「練習で成功 → 本番でも成功しそう」という予想が崩れた。この二文から「筆者は練習を無意味だと考える」とは言えない。
5

「同じ内容を別の形で説明した部分」を結ぶ。

「つまり・すなわち」は言い換えの手がかり。接続語がなくても、何を説明しているかをたどる。具体例とまとめ、本文と選択肢の言い換えを結ぶ読み方を、ここではイコールの関係と呼ぶ。

本文 他者の立場に立つとは、相手が置かれた状況を想像して考えることだ。
問 「他者の立場に立つ」の説明として合うものは。
ア 相手と同じ意見に変える。 イ 相手の事情を想像して考える。
正解 イ。「相手が置かれた状況を想像する」を「相手の事情を想像する」と言い換えている。アは、理解することを意見への賛成に変えてしまっている。
6

理由と結果は「AだからB」でつなぐ。

「なぜなら」の後ろが理由、「だから」の後ろが結果や判断。接続語がなくても、このつながりを試す。前に起きた出来事が、必ず原因とは限らない。本文に理由として結び付けられる説明があるかを見る。

本文 部屋の暑さで集中できない。私は窓を開けた。遠くで犬が鳴いた。暑さがこもっていた部屋に風が入った。
問 窓を開けた理由として本文から考えられるものは。
答え 部屋にこもった暑さを和らげるため。
誤答の理由 「犬が鳴いたから」は、出来事の順序も違い、窓を開けた理由として本文に結び付いていない。

第2章 論説文の主張をつかむ

「何について、筆者は何を伝えようとしているか」を一文にする。

7

主張は、繰り返される考えから見つける。

はじめの問題提起、途中のまとめ、終わりの結論を結ぶ。話題の名前だけでなく、それについての筆者の判断まで読む。「大切だ・必要だ・〜べきだ」は手がかりだが、決まった語がなくても主張はある。

本文の流れ 「他人の意見に耳を傾けたい」→ 話し合いで自分の誤解に気づいた例 →「異なる考えは、自分の見方を広げる入口だ」。
問 筆者の言いたいことは。
答え 自分の見方を広げるために、異なる意見に耳を傾けることが大切だ。
誤答の理由 「話し合いについて」は話題だけ。「他人の意見が常に正しい」は本文を強めすぎる。
8

具体例は「何を示す例か」を言う。

人名や出来事の細部に引っ張られたら、例の前後のまとめを探す。例の出来事 → そこで示された性質・考えへ一段まとめる。何を示すかは文脈で決め、例だけから自由な教訓を作らない。

本文 道具の価値は使い方でも変わる。同じタブレットでも、答えを写すだけに使う人と、間違いの原因を調べる人とでは、得られる学びが違う。
問 タブレットの例は、何を説明するためか。
答え 同じ道具でも、使い方によって得られる価値が変わること。
誤答の理由 「タブレットは便利だ」は、この例が比べている使い方の違いを落としている。
9

対比は、同じ観点でAとBを並べる。

「一方・それに対して・AではなくB」に注目する。比べる観点を決め、AとBそれぞれの特徴を拾う。どちらを重視するか、両方を認めるかは筆者の結論から判断する。

本文 速さを優先すれば多く処理できるが、見落としも増えやすい。慎重さを優先すれば時間はかかるが、誤りを確かめやすい。仕事の目的に応じた使い分けが必要だ。
整理 処理量・時間で比べると、速さ重視は多く処理でき、慎重さ重視は時間がかかる。正確さで比べると、速さ重視は見落としが増えやすく、慎重さ重視は誤りを確かめやすい。
主張 目的に応じて使い分けること。
誤答の理由 「慎重であるほどよい」は、AとBを認めた結論を一方だけに変えている。
10

「誰の意見か」を分けて読む。

「〜と言われる・ある人は〜と言う」は、筆者が紹介した意見。続く賛成・反論・補足を読んで、筆者との関係を決める。引用や一般論を、そのまま筆者の結論にしない。

本文 「失敗は避けるべきだ」と言う人もいる。確かに、同じ失敗の繰り返しは望ましくない。しかし、初めての挑戦で生じる失敗まで恐れていては、学べることが少なくなる。
問 筆者の考えに合うものは。
答え 初めての挑戦で生じる失敗まで恐れるべきではない。
誤答の理由 「すべての失敗を避けるべきだ」は紹介された意見。「どんな失敗もよい」も筆者の譲歩を無視する。
11

段落の役割を、前後との関係でつかむ。

段落を読んだら、「問い・主張・理由・例・反論・まとめ」のどの働きかを考える。内容の要約に加えて、なぜここに置かれたかを見る。段落には複数の働きがある場合もある。

構成 第1段落「なぜ人は記録するのか」→ 第2段落「忘れないため」→ 第3段落「記録を見返して考えが変わった経験」→ 第4段落「記録には自分の考えを更新する働きもある」。
問 第3段落の役割は。
答え 記録が考えを更新するという第4段落の説明を、経験によって具体的に示す。
誤答の理由 「第2段落を全面否定する」は誤り。「忘れない」働きも認めたうえで説明を加えている。
12

要旨・要約は、主張を中心に必要な関係を残す。

主張を問われたら、筆者が最も伝えたい考えを答える。文章全体の要約なら、指定字数に応じて問題提起・理由・対比も残す。具体例を全部並べたり、最後の一文だけを機械的に写したりしない。

本文の骨格 便利さだけで道具を選ぶと、目的に合わないことがある → 学習道具の例 → 自分の目的に合うか確かめて選ぶ必要がある。
要約例 道具は便利さだけで選ぶと目的に合わないことがあるため、自分の目的に合うか確かめて選ぶ必要がある。
確かめ方 話題=道具の選択、理由=便利さだけでは目的に合わない場合、主張=目的との適合を確かめる。

第3章 小説・随筆を根拠から読む

「自分ならこう感じる」から離れ、その人物の状況と描写から答える。

13

まず「状況・関係・願い」を押さえる。

場面の冒頭や注を読み、誰が何を望み、何が妨げになっているかを確かめる。同じ動作でも、直前の出来事と人物の願いによって意味が変わる。

本文 代表に選ばれたかった健太は、別の生徒の名前が呼ばれると、拍手をしながら膝の上のこぶしを握った。
問 健太の気持ちを説明せよ。
答え 拍手で祝意を示しながらも、自分が代表になれなかった悔しさを感じている。
根拠 願い=代表になりたい。出来事=他の生徒が選ばれた。動作=拍手とこぶし。拍手は祝意を示す行動だが、心から喜んでいるとは限らない。代表になりたい願いと、こぶしを握る反応を結んで悔しさを読む。
14

心情は「出来事」と「反応」を組み合わせる。

行動・表情・会話・内面の言葉を拾い、何への反応かを結ぶ。気持ちの説明を求められたら、描写を写すだけでなく、気持ちの言葉に直す。理由まで求められたら、その出来事も書く。

本文 「一緒に発表しよう」と友人が言った。美咲は肩の力を抜き、「ありがとう」と小さく答えた。
問 美咲はどのような気持ちか。
答え 友人が一緒に発表してくれると分かり、ほっとしている。
誤答の理由 「肩の力を抜いた」は動作だけ。「発表が楽しみで仕方ない」は、本文の反応以上に強めた解釈。
15

心情の変化は「前・きっかけ・後」で答える。

前後の行動や言葉を対にして比べる。間にある出来事が、人物の受け止め方をどう変えたかを見る。「不安から安心へ」だけでは足りない設問では、何についての不安かも具体化する。

本文 転校生の私は、話しかける勇気が出ず、休み時間も一人でいた。隣の席の子が、私の読んでいた本を見て「私も好き」と笑った。私は初めて自分から次の巻の話をした。
答え方 クラスになじめるか不安だったが、同じ本を好きな子がいると分かり、親しみを感じて話しかけられるようになった。
誤答の理由 「本が好きになった」は、変わったものを取り違えている。
16

セリフと本心のずれは、周囲の描写で確かめる。

強がり・遠慮・ためらいは、言葉だけでは決められない。発言の直前と直後、相手との関係を確かめる。沈黙や呼び方の変化も、何への反応かを読む。

本文 「もう平気」と弟は言った。しかし、母が立ち上がると、すぐにその袖をつかんだ。
問 弟の気持ちとして考えられるものは。
答え 平気だと言いながらも、母にそばにいてほしいと思っている。
根拠 母が離れようとしたときの「袖をつかんだ」。セリフだけから「不安はなくなった」としない。
17

情景・比喩は、人物がどう見ているかを読む。

同じ景色の見え方が変わったら、その前の出来事を確かめる。比喩は、たとえたものの特徴を人物の状況に戻す。雨=悲しみ、晴れ=喜びと固定しない。

本文 友人との誤解が解けた帰り道、朝は灰色にしか見えなかった海が、幾重もの青を重ねていた。
問 海の描写には、どのような心情が表れているか。
答え 誤解が解けて心が軽くなり、周囲の景色を豊かに感じている。
誤答の理由 「天候の回復を喜んでいる」は、本文にない天候の変化を加えている。
18

随筆は「体験」と「そこから得た考え」を結ぶ。

出来事の順序と気持ちを押さえ、筆者が後からどう受け止めたかを読む。結末で以前の出来事を振り返っていたら、その見方の変化に注目する。体験の紹介だけで、文章の中心を終わらせない。

本文の流れ 祖父が壊れた椅子を直す → 買えばよいのにと思う → 修理を手伝い、傷ごとに思い出を聞く → 椅子を見る目が変わる。
問 筆者が体験を通して気づいたことは。
答え 物には機能だけでなく、使ってきた人の思い出も重なっていること。
根拠の結び方 最初の「買えばよい」は椅子を機能で見ていた考え。傷にまつわる思い出を聞いた後は、祖父が使ってきた時間も椅子の価値だと気づいている。
注意 「古い物はすべて新しい物より優れている」と一般化しない。

第4章 設問に答える

基本の順序は「問いを決める → 根拠を探す → 答えを作る → 照合する」。

19

設問の最後まで読み、答える内容と条件を決める。

理由・意味・心情・変化・表現の効果のどれを答えるか確認する。選択・記述・抜き出しの別、字数・指定語・範囲にも印を付ける。「適切でないもの」は誤りを選ぶ問いと確かめる。

設問 「うれしかった」とあるが、なぜか。本文中の言葉を使って三十字以内で説明せよ。
作業 探すもの=うれしくなった理由。答え方=本文の言葉を使った説明。上限=三十字。
誤答の理由 「とても喜んでいたから」は気持ちの言い直しにすぎず、理由になっていない。
20

根拠は傍線部を入口に、意味のつながりで探す。

まず傍線部を含む一文と前後を読む。「それ」があれば指す内容へ、「そのため」があれば原因へ進む。足りなければ同じ話題の箇所まで広げる。前後の決まった行数だけで打ち切らない。全体の主張は全文を対象にする。

本文 前の段落:計画を変更した事情。/傍線部の文:こうした事情から、私たちは出発を遅らせた。
問 なぜ出発を遅らせたか。
探し方 「こうした事情」の中身を前の段落へたどる。
誤答の理由 すぐ後ろの「昼に到着した」を拾っても、それは遅らせた結果であって理由ではない。
21

「どういうことか」は、傍線部の中身を具体化する。

傍線部を意味のまとまりに分ける。指示語は中身へ、比喩は共通する特徴へ、抽象語は本文の具体的な説明へ置き換える。問われた表現をそのまま繰り返さず、各部分を説明してつなぐ。

本文 発言前に全員が意見を紙に書いた。それが、黙っていた生徒にも話し合いへの扉を開いた。
問 後の一文はどういうことか。
材料 それ=意見を紙に書くこと。扉を開く=参加しやすくすること。
答え 意見を紙に書くことで、それまで黙っていた生徒も話し合いに参加しやすくなったということ。
不足例 「扉が開いたということ」は比喩の説明ができていない。
22

「なぜか」は、問われた判断や行動を生む理由を答える。

傍線部を短く言い直し、本文から原因・事情・判断の根拠を集める。「この理由だから、この行動・判断になる」とつないで確認する。対比や予想が前提になっているなら、その前提も必要になる。

本文 自分より経験の浅い友人には、私がつまずく箇所は分からないと思っていた。ところが、友人はその箇所をすぐに言い当てた。私は驚いた。
問 なぜ驚いたか。
答え 自分より経験の浅い友人には分からないと思っていたのに、自分のつまずく箇所を的確に言い当てたから。
不足例 「友人が教えたから」だけでは、予想との食い違いが伝わらない。
23

選択肢は、意味のまとまりごとに本文と照合する。

本文から答えの方向を考え、選択肢を「誰が/何を/なぜ/どうした」に分ける。一部分が合っていても、理由や結論が違えば選ばない。同じ単語がなくても、正確な言い換えなら合う。

本文 異なる意見を聞いたことで、自分の案の見落としに気づいた。そこで、計画の一部を直した。
問 内容に合うものは。
ア 自分の案を否定されたため、計画全体を取りやめた。
イ 他の意見を手がかりに不足を見つけ、計画を部分的に改めた。
ウ 相手の案の方が優れていると分かり、その案をそのまま採用した。
正解 イ。アは「全体を取りやめた」、ウは「そのまま採用した」が違う。イの「不足」「部分的に改めた」は本文の言い換え。
24

二択になったら、違う部分だけを比べる。

共通部分をいったん外し、理由・対象・程度など、分かれ目を本文と照合する。「こちらの方が自然」だけで決めず、決め手となる一節を示す。

本文 すぐには賛成できなかったが、相手の事情を知り、その考えの理由をもっと理解しようと、もう一度話を聞くことにした。
二択 ア 相手の考えを正しいと認めたので、話を聞いた。/イ 相手を理解するため、話を聞こうとした。
正解 イ。「正しいと認めた」か「理解しようとした」かが違う。決め手は「理由をもっと理解しようと」。相手の考えを正しいと認めたとは書かれていない。
25

記述は「必要な材料 → 関係 → 一文」の順に作る。

先に字数を埋めようとせず、何を入れれば問いに答えられるか決める。本文の言葉を拾い、理由・対比・変化として結ぶ。キーワードがあっても、誰が何をしたかが違えば正解にはならない。

本文 友人は私の失敗を責めず、改善の方法を一緒に考えてくれた。私はもう一度挑戦しようと思った。
問 再挑戦しようと思った理由を説明せよ。
材料 失敗を責めなかった/改善方法を一緒に考えてくれた。
答え 友人が失敗を責めず、改善の方法を一緒に考えてくれたから。
不足例 「友人、失敗、改善方法があったから」では関係が分からない。
26

抜き出しは、意味を決めてから字数を数える。

設問の内容に合う箇所を探し、文・節・語句のどのまとまりかを決める。本文の表記のまま写し、字数と指定範囲を確認する。字数が合っても、問われた意味が欠けていたら選び直す。

本文 大切なのは、間違いの原因を自分で確かめることだ。
問 何が大切だと述べているか。本文から十六字で抜き出せ。
答え 間違いの原因を自分で確かめること
確認 間1・違2・い3・の4・原5・因6・を7・自8・分9・で10・確11・か12・め13・る14・こ15・と16。「だ」や句点を足さない。
27

空欄・文の挿入は、前にも後ろにもつながるか見る。

接続語なら関係、指示語なら中身、共通語なら話題のつながりを確かめる。挿入文を候補の位置に入れ、前の文 → 挿入文 → 後ろの文を通して読む。

本文 ①私は、調べても分からない言葉をノートに書いた。②先生の説明を聞くと、その言葉の意味が分かった。
挿入文 翌日、そのノートを持って先生に質問した。
入る場所 ①と②の間。前からは「そのノート」が①のノートを受け、後ろへは「質問 → 先生の説明」とつながる。
確かめ方 「ノートを書いた → 持って質問した → 説明を聞いた」という順序も合う。片側の同じ言葉だけで決めない。
28

資料・複数の文章は、条件と立場をそろえて比べる。

表は題・単位・対象・期間を確かめる。二つの文章は「何について、どう考えるか」をそれぞれ整理する。資料の事実と、その事実から言える範囲を分ける。意見文では、本文・資料の内容と自分の理由を結ぶ。

資料 図書室の貸出冊数:四月80冊、五月120冊。利用人数は不明。
言えること 貸出冊数は40冊増え、四月の1.5倍になった。
言えないこと 利用人数が1.5倍になった/読書好きが増えた。
理由 一人が多く借りた可能性もあり、冊数だけでは人数や好みは分からない。数字にない内容を付け足さない。
二つの意見の例 A「本の紹介を続けたい」。B「紹介を続け、読後に話し合う時間も設けたい」。
比べ方 共通点は紹介の継続。Bは話し合いを追加しており、Aに反対しているわけではない。

第5章 答案を仕上げ、次の得点につなげる

知っている解き方を、試験中に使える行動にする。

29

字数調整は、必要な内容を残して行う。

短すぎるときは、理由・対象・変化の前後が抜けていないか確認する。長すぎるときは、重複や問われていない例を削る。「以内」は上限、「以上」は下限を守り、「程度」はその字数を目安にする。句読点や小さい「っ・ゃ」なども通常は一字。数え方は問題の指示を優先する。

長い答案 私はとても不安な気持ちで心配していたが、友人に励ましてもらったことで、不安な気持ちが少し和らいだ。
整理した答案 友人に励まされ、不安が少し和らいだ。
確認 同じ気持ちの重複を削り、きっかけと変化、程度の「少し」を残した。字数を埋めるために本文にない理由は加えない。
30

最後は「問い・根拠・条件」の三つで点検する。

①聞かれた内容に答えたか、②本文がその答えを支えるか、③字数・範囲・指定語・語尾を守ったか。この順で読む。答案の主語と述語、理由と結果がつながるかも確かめる。

本文 健太は悔しかった。反論したかったが、声を上げると泣いてしまいそうで、黙っていた。
問 なぜ健太は黙ったのか。
不十分な答案 悔しい気持ちだったから。
点検と修正 気持ちは合っているが、黙ることにつながる事情が抜けている。「反論したかったが、声を上げると泣いてしまいそうだったから」と、本文の根拠を結んで答える。
31

本番は、戻れる読み方と時間配分をする。

最初に大問・配点・記述量を見て、おおよその時間を決める。本文では中心の考え、対比、心情の転換に絞って印を付ける。全行に線を引かず、設問で戻る場所が分かる印にする。迷う問題は候補と根拠の位置を残し、解ける問題へ進む。

使える印 主張に線/対比するAとBを対応させる/心情が変わった出来事に印。
二択で止まったら 「アとウ、違いは理由。第3段落を再確認」と残す。戻ったときに最初から迷い直さずに済む。時間を固定しすぎず、問題量に応じて調整する。
32

復習では、誤答の原因を一つの行動に直す。

正解を見たら閉じて、「どの部分が根拠で、なぜこの答えになるか」を説明する。自分の誤答がどこでずれたかを特定し、次の問題で行う確認を決める。同じ問題を覚えただけで終わらず、別の文章でも試す。

誤答 本文の「ときには」を、選択肢の「必ず」と同じ意味だと思った。
原因 範囲を強めた表現を見落とした。
次の行動 選択肢の「すべて・必ず・だけ」と本文の範囲を照合する。
定着の確認 別の問題で、強い語があっても本文と一致していれば選べることまで確かめる。

巻末付録

付録A 問いから解き方を選ぶ早見表

問われること本文で探すもの答案の確認
指示内容(2)指す物・行為・出来事中身を代入して意味が通るか。
どういうことか(21)指示語・比喩・抽象語の説明傍線部の各部分を具体化したか。
なぜか(22)原因・事情・判断の根拠その理由で、問われたことになるか。
心情(14)状況・言動・内面の描写動作を気持ちの言葉に直したか。
変化(15)変化前・きっかけ・変化後何についての変化か明確か。
主張・要約(7・12)繰り返される考えと結論具体例の細部に偏っていないか。
選択(23・24)合う根拠と、違う部分部分的一致で選んでいないか。
抜き出し(26)必要な意味がそろう範囲字数・表記・範囲・答え方は合うか。

接続語の手がかり つまり=言い換え・まとめ/たとえば=具体例/しかし=逆接/一方=対比など/だから=理由を受けた結果・判断/なぜなら=理由の説明/また・さらに=追加/または=選択。意味を覚えたら、実際の前後の内容を結ぶ。

付録B 選択肢で見つけたい「ずれ」

ずれの種類照合するところ
人物・対象が違う誰が、誰に、何をしたか。
理由・関係が違う本文に同じ語があっても、AだからBが保たれているか。
範囲・程度が違う「一部」と「全員」、「こともある」と「必ず」、「少し」と「完全に」。
本文から言えない目的・性格・事情などを、常識だけで補っていないか。
問いに答えていない内容は正しくても、理由の問いに結果を答えていないか。

決め手は本文との照合。長い選択肢や強い表現を、見た目だけで消さない。消せた理由を言葉にし、残った答えにも根拠があるか確かめる。

付録C 記述の組み立て方

理由 〔原因・事情・判断の根拠〕から。
意味 〔誰が・何が〕〔具体的にどうする・どんな状態か〕ということ。
心情 〔具体的な気持ち〕。原因も求められたら〔出来事〕を加える。
変化 〔前の気持ち・考え〕から、〔きっかけ〕によって、〔後の気持ち・考え〕へ変わった。
自分の意見 〔本文・資料の内容〕を踏まえ、〔自分の考え〕。理由は〔根拠・経験・具体例〕。

本文の材料をそろえてから、この形を使う。解答欄の後に言葉が続く場合は、その続きに合わせる。型だけ整えても、必要な内容が抜けていれば不十分。

付録D 表現技法を得点につなげる

表現見分け方・読み方説明の例
直喩「〜のようだ」「〜みたいだ」などで、たとえと示す。「言葉は道しるべのようだ」=進む方向を教えるという共通点を読む。
暗喩(隠喩)「〜のようだ」などを使わず、別のものにたとえる。「言葉が道しるべになった」=何をすべきか判断する助けになった。
擬人法人以外のものを、人の動き・感情などで表す。「風がささやく」=風の音を静かな語りかけのように感じさせる。
倒置法普通の語順に戻し、何が強調されるかを読む。「忘れない、あの言葉を」=忘れないという思いを先に強く示す。
体言止め名詞で結び、どの情景や物を印象付けたか。「誰もいない教室」=その場面を印象に残す。寂しさなどは前後から読む。
反復法繰り返した言葉が表す思いや状態を読む。「待った。いつまでも待った」=待ち続ける長さや思いを強調する。

名前を問う問題には技法名、効果を問う問題には何をどう印象付けるかを書く。「余韻がある」だけで終わらない。直喩は「〜のようだ」などでたとえと示し、暗喩はそれを明示せず重ねる。「雨が降るようだ」の推測は直喩ではない。

意味を取り違えやすい言い方 「意味がないわけではない」=意味があることを控えめに認める。「行かないわけにはいかない」=行く必要がある。「行けないわけではない」=行くことは可能。「必ず成功するわけではない」=成功すると決まってはいない。否定が何にかかるかを読む。

人物の役割も確認 「私は友人に励まされた」では励ました人は友人。「母は弟を遊ばせた」では遊ぶ人は弟、遊ばせた人は母。受身・使役では、文の主語と動作をする人を混同しない。

付録E 論説文の語彙を文脈で読む

言葉基本の意味と確認すること
具体・抽象具体=個々の事例や姿。抽象=共通する特徴を取り出して捉えること。例とまとめを結ぶ。
主観・客観主観=自分の立場からの見方。客観=個人的な思い込みを離れた見方。誰の判断で、何が根拠かを見る。
普遍・特殊普遍=広く共通して成り立つこと。特殊=限られた条件や対象に固有であること。適用する範囲を見る。
絶対・相対絶対=他との関係や条件に左右されないこと。相対=関係や比較によって決まること。比較の基準を探す。
本質・現象本質=そのものを成り立たせる根本的な性質。現象=外に現れて捉えられる姿や出来事。
必然・偶然必然=条件や理由から避けられないこと。偶然=必然的なつながりによらず起こること。
相対化別の立場や条件と比べ、自分の見方を捉え直すこと。
合理的道理にかなっていること。本文によっては、目的に対する方法の適切さや無駄の少なさを指す。
アイデンティティ自分が自分であるという感覚や、そのよりどころ。本文では何をその基盤としているかを見る。

辞書的な意味を足場にし、本文の「〜とは」「つまり」「たとえば」で使い方を確かめる。知らない言葉があっても、前後の説明や対比から読める部分を探す。

付録F 解き直しの記録

①問われたこと:____ ②正解の根拠となる箇所:____
③自分の答えがずれた部分:____ ④次に行う確認:____

記入例 ①理由。②第3段落の「相手の事情を知った」。③「賛成した」と勝手に補った。④本文に書かれた判断の強さと、選択肢の強さを比べる。

復習後は、答えを隠して説明し直す。別の文章でも同じ確認を使い、どの読み違いが減ったかを見る。