現代文編(論説文・小説・随筆) 全74ポイント+巻末付録
自分の感想や常識で答えてはいけない。「筆者がどう書いているか」だけが正解だ。国語のテストは「あなたの意見」を聞いていない。「この文章には何と書いてあるか?」を聞いている。たとえ自分が「絶対こうだ」と思っても、本文に書いていなければ不正解。
答えを選んだら「本文のどこが根拠か」を指でさせるかを確かめる。さされない答えは、勘で選んでいる証拠だ。
同じことを、①難しい言葉で言う → ②例え話で言う → ③まとめ直す。この3つはぜんぶ「同じことの言い換え」だ。だから、一か所わからなくても大丈夫。別の場所でもっと優しく言ってくれている。
「同じようなこと、さっきも見たな」と思ったら、それが筆者の主張だ。
傍線が引かれたら、遠くを探す前に「前後2〜3文」を徹底的に読め。答えの多くはそこにある。
探す順番を固定しておけ。①傍線部の前後2〜3文 → ②その段落全部 → ③同じ話題を扱っている別の段落 → ④最終段落(結論)。この順で探すから速い。①を飛ばして本文の端から探し始めるのが、一番時間を溶かす読み方だ。
この章で一番大事な3つ:No.1(接続語に○)、No.3(逆接の後ろ)、No.6(「確かに」は筆者の意見ではない)
接続語は文と文のつなぎ目に立っている「道しるべ(標識)」。読解は、この道しるべを追いかけるゲームだと思っていい。
ほかに対比・選択(一方・むしろ・または)と転換(さて・ところで)がある。空欄補充は「前と後ろがどの関係か」だけで決まる。意味で選ぶな、関係で選べ。
逆接の後ろは、筆者が一番言いたいことが来る「ゴールデンゾーン」。ここだけ読んでも主張がわかることすらある。
これは筆者が「わかりにくかったよね?まとめるとこういうことだよ」と親切に教えてくれている箇所。記述問題の答えに使える表現がそのまま入っていることが多い。
ただし「その例は何を言いたくて出しているのか?」は必ず把握する。例え話の前後にある「まとめの文」とセットで理解すること。
例外:その具体例に傍線が引かれていたら精読する。「なぜこの例を挙げたのか」を問う設問は、例そのものではなく、その前後のまとめ文が答えになる。
これは「譲歩」という形。「あなたの言うことも一理あるけどね……でも本当はこうだよ」という構造。「しかし」の後ろだけが筆者の主張だ。
①本当に読者に問いかけている場合と、②「いや、そうじゃない!」という強い否定(反語)の場合がある。その直後の文を読めばどちらかわかる。反語の場合、直後に筆者の本音が来る。
知らない言葉が出ても、前後の文を読めば「だいたいこういう意味かな」と推測できる。完璧にわからなくても「プラスの意味か、マイナスの意味か」だけわかれば十分。
主語と述語を見失うと、意味が取れなくなる。長い文は「骨」だけ残して読め。途中の修飾語は後から補えばいい。
読み方のコツがそれぞれ違うので、最初に見分けることが大事。
筆者がわざとカギカッコをつけている場合、「世間ではこう言うけど、自分は違う意味で使っている」か「この言葉を疑っている」というサイン。
この章で一番大事な3つ:No.13(二項対立)、No.14(世間の逆を推す)、No.18(強い語尾)
筆者には必ず「伝えたいメッセージ」がある。それを見つけたら勝ち。文章の全部を完璧に理解する必要はない。「結局何が言いたいの?」がわかればOK。
「西洋と日本」「自然と人工」「昔と今」「科学と文学」「個人と社会」——筆者はAとBを比べて、片方を推している。どっちを推しているか見つけろ。これがわかれば、主張の半分は見えたも同然。
見つけたら、本文の余白に A ⇔ B と書き、推している方に ◎ をつける。これだけで選択肢問題の正答率が変わる。
よくあるパターン:「みんなは○○が大事だと思っているけど、本当は△△だ」。特に「昔の方が良かった」「自然が大事」「便利さの裏に問題がある」は超頻出パターン。
ただしこれは当たりをつけるための予想にすぎない。必ず本文の言葉(No.18の強い語尾・最終段落)で確認してから答えを決めろ。予想のまま答えるのは大原則1の違反だ。
筆者が「この言葉をこういう意味で使いますよ」と宣言している文。論理の出発点になるので、見逃すと文章全体がわからなくなる。
これは筆者が「世間の常識」を紹介しているだけ。自分の意見ではない。その後に「しかし本当は〜」と筆者自身の主張が続く確率が非常に高い。
筆者がその人の意見を「味方(自分と同じ意見だから紹介)」として使っているのか、「敵(批判するために紹介)」として使っているのか。直後の文でわかる。
こういう強い語尾が出たら、それは筆者が一番力を込めている主張。ここに線を引いておけば、あとで設問を解くときに大きな武器になる。
仲間:「〜のである」「〜こそが」「〜と言わざるをえない」「まさに〜だ」。
「それは単なる思い込みにすぎない」→筆者はその考えを低く見ている、という意味。
いくつの理由・論点があるか整理する。記述問題で「理由を2つ書け」と言われた時に、漏らさないため。
たとえば「自由」「文化」「豊かさ」などの大きな言葉は、筆者が独自の意味を与えていることがある。辞書の意味で読むとズレる。本文中の説明を見つけること。
「日本の人口は減っている」→事実。「人口減少は深刻だ」→意見。設問で問われているのがどちらかを見極める。
筆者はBを主張したいのであって、Aは否定されている側だ。シンプルだが超重要。
「負けるが勝ち」「不自由だからこそ自由だ」のように、一見矛盾しているが真理を突く表現(逆説)は設問になりやすい。「どういう意味で矛盾していないのか」を本文の言葉で説明できれば、それが答えになる。
「それは実に素晴らしいことだ」と書いてあっても、前後から「本当はダメだと思っている」とわかる場合がある。言葉だけでなく、文脈で判断すること。
論説文の最後は、筆者が「結局こういうことだ」とまとめるか、「これからどうすべきか」を語っている。文章全体の主張を確認するのに最適な場所。
ただし最終段落が具体例や余談で終わる文章もある。その場合は「つまり」「〜べきだ」がある文(No.4・No.18)まで戻って主張を確認する。
この章で一番大事な3つ:No.27(プラスかマイナスか)、No.30(体の反応)、No.33(気持ちの変化)
喜び・安心・期待=プラス。悲しみ・怒り・不安・後悔=マイナス。細かい感情の名前がわからなくても、プラスかマイナスかだけ判断できれば選択肢を半分に絞れる。まずはこれだけでいい。
何かが起きる→それで登場人物がどう感じる→だからどう行動する。この3つのつながりを追いかけるのが小説読解の基本だ。
設問で問われるのは、たいてい真ん中の「気持ち」。だから答えは出来事(原因)と行動(結果)の間から探す。
雨が降っている=暗い気持ち。空が晴れてきた=気持ちが明るくなった。夕焼け=切なさや別れ。こういう「お約束」を知っていると心情が読める。
ただし逆に使うこともある。「空はどこまでも晴れているのに、自分の心だけが沈んでいた」のように、わざと反対に置いて心情を強調する書き方もある。お約束は当たりをつけるためのもので、最後は本文の言葉で決める。
「顔が熱くなる」=恥ずかしさか怒り。「胸が締めつけられる」=悲しみ。「拳を握る」=悔しさ。「視線を落とす」=罪悪感。「肩の力が抜ける」=安心。体は正直だ。
「寂しげに笑った」「つらそうに目をそらした」——こういう表現が出たら、そこがそのまま心情の答えになる。見つけたら線を引け。
人は口では「大丈夫」と言いながら、本当は全然大丈夫じゃないことがある。地の文(ナレーション部分)に「しかし、その手は小さく震えていた」とあれば、本音は不安だ。
テストで聞かれるのは「気持ちそのもの」より「どう変わったか」であることが多い。「最初は〜だったが、○○をきっかけに〜になった」と言えるようにする。
「田中さん」→「田中」→「ゆうき」のように呼び方が変われば、心の距離が縮まったということ。逆に丁寧になったら、距離が広がった可能性もある。
何も言わない ≠ 何も感じていない。むしろ逆で、言葉にならないほどの怒り・悲しみ・戸惑い・感動を表している。
壊れた時計=止まった時間。枯れた花=失われた関係。物が何かの象徴として使われていることに気づけると、深い読みができる。
一人称(「僕」「私」)の物語は、その人の心しかわからない。他の人物の気持ちは、あくまで「推測」であって「事実」ではない。選択肢が別人の心を言い切っていたら疑え。
「昔は楽しかった(でも今はつらい)」「あの頃は何もわかっていなかった(でも今は成長した)」。回想は、今の状況を浮き彫りにするために使われる。
「声をかけようとした——が、やめた。」→実際にはやっていない。やろうとしてやめたという心理を読み取る。
前半に具体的な体験談、後半にそこから考えたこと(筆者の意見)が来る。意見は後半にあることが多い。つまり体験部分は具体例、後半が主張。論説文と同じ読み方に切り替えろ。
はっきりした結末を書かない終わり方は、「読者に考えてほしい」という筆者の意図。その物語が「本当に伝えたかったこと(テーマ)」を考えるきっかけになる。
この章で一番大事な3つ:No.45(消去法)、No.47(極端な言葉は疑え)、No.57(記述は本文の言葉で)
毎年、NOT問題で「合っているもの」を選んで失点する受験生が大量にいる。問題文に×印をつけるだけで防げるミスだ。印をつける2秒で5点を守れる。
言い換え問題は、感覚で答えるものではなく作業だ。手順はこれ。
理由を問う問題は、文末を「〜から。」で結べるかチェック。結べなければ答えがズレている。
書いたら因果チェックをする。「(自分の答え)だから、(傍線部)」と声に出して読み、自然につながればOK。つながらなければ根拠が違う。
4つの選択肢から「これが正解!」を当てるのは難しい。でも「これは明らかに違う」を見つけるのは比較的カンタン。1つずつ×を消していけ。
前半は合っているけど後半がズレている——これが一番多い罠。選択肢の最後の部分まで気を抜くな。長い選択肢には自分で/を入れて切る。
こういう極端な言い切り表現は、たいてい本文にそこまで書いていない。見つけたらまず疑え。
残りの1割:本文にも同じ強さで書いてあるときは正解になる。「疑う」=「即×」ではない。本文に戻って強さを比べろ。
世間一般では正しいことでも、本文に書いてなければ×。「常識的に正しい」と「本文に書いてある」はまったく別物だ。これは大原則1の応用。
本文の言葉だけ借りて意味が微妙にズレている「オウム返し」の罠。逆に、本文の内容を正しく「言い換えている」選択肢の方が正解になりやすい。
判断基準は「言葉が同じか」ではなく「内容が同じか」。ここを間違えるとNo.54と矛盾する。
本文に「AだからBになった」と書いてあるのに、選択肢が「BだからA」とすり替えているパターン。よくある罠だ。
本文にはおだやかに書いてあるのに、選択肢が大げさにしている(盛りすぎ)パターン。逆に、本文より控えめすぎる(小さくしすぎ)パターンもある。
「〜からだ。」「その原因は〜。」のように、理由を後から説明する書き方がある。前だけ見て決めるな。前後の両方を見るのが原則(大原則3)。
指示語の内容を見つけたら、指示語をその内容に入れ替えて読んでみる。文の意味が通じれば正解。通じなければやり直し。
注意:指示語は一文だけでなく、前の数文や段落全体をまとめて指すこともある。「一語だけ」で探すと足りないことがある。
どちらも合っているように見える時は、本文の内容により忠実な方が正解。「本文のどこが根拠か」を指さしできる方を選べ(大原則1)。
本文より広げすぎ(言い過ぎ・一般化しすぎ)も、本文より狭すぎ(限定しすぎ)もどちらも×。「本文の書きぶりにピタリと重なるサイズ」を選ぶ。No.47・No.51とセットで使え。
アとイで迷うとき、アとイを見比べ続けても答えは出ない。それぞれを本文に戻って確認すること。
記述の答えは「本文から拾って組み立てる」もの。自分のオリジナルの表現で書くと、採点者が根拠を確認できないので点にならない。
40字以内なら32字以上、60字以内なら48字以上。少なすぎると、必要な要素が入っていないと見なされる。
「どんな」「どのように」をつけると字数が増える。逆に、たとえ話を削って短くまとめると字数が減る。削ってはいけないのはキーワードと語尾。
| 問い | 語尾 |
|---|---|
| なぜか/理由を書け | 〜から。/〜ため。 |
| どういうことか | 〜(という)こと。 |
| どういう気持ちか | 〜という気持ち。 |
| どのような人物か | 〜な人物。(問いの名詞で終える) |
| どう変わったか | 〜から〜に変わった。 |
語尾がズレると、中身が合っていても減点される。書き終わったら語尾だけもう一度見ろ。
空欄の前に「しかし」があれば、前の内容と反対のことが入る。「だから」があれば、前の内容の結果が入る。プラスかマイナスかだけでも判断せよ。接続語の空欄はNo.2の6分類で決める。
その文に「これ」「そのため」などがあれば、「これ」が指す内容の直後に入る。試しに入れてみて、前後の文と自然につながるか確認する。
自分の言葉で書き直してはいけない。本文からそのままコピーするのが「書き抜き」。一文字でも違えば0点。
指定字数は最大のヒントだ。「15字で抜き出せ」なら、候補はその長さのカタマリしかない。まず字数を数えて候補を絞れ(→巻末付録C)。
「本文中の言葉を使って」「30字以内で」「第3段落から」「ひらがなで」——条件を守らないと、中身が合っていても0点になる。問題文の条件部分に線を引け。
この章で一番大事な3つ:No.65(二重否定)、No.67(比喩の答え方)、No.72(直喩と暗喩)
否定が2つ重なれば肯定になる。マイナス×マイナス=プラスと同じ考え方。ただし数え間違えると意味が真逆になるので、必ず指で数えろ。
もうひとつ大事なこと。二重否定には強さの差がある。ここを混同すると選択肢問題で落とす。
本文が控えめな二重否定なのに、選択肢が「強く主張している」と書いていたら、それは盛りすぎで×(No.51)。
「美しいのだ、この風景は。」→普通は「この風景は美しい」。わざわざ語順をひっくり返しているのは「美しい」を強調したいから。
「心に花が咲いた」を「花が咲いたということ」と答えてはいけない。「うれしい気持ちでいっぱいになったということ」のように、比喩が「本当は何を言いたいのか」を答える。
手順は決まっている。①たとえられているもの(心)を特定 → ②たとえ(花が咲く)が持つイメージを言葉にする → ③たとえの言葉を消して書く。答えの中に比喩の言葉が残っていたら、それは訳せていない証拠だ。
「広がる青い空。」のように名詞で文を終わらせる。映画のラストシーンのように、余韻を感じさせる効果がある。
「風がささやく」「空が泣いている」。対象に親しみを感じさせたり、情景を鮮やかにする効果。情景描写と組み合わさると、そのまま心情のヒントになる(No.29)。
文が「……」で終わっている場合、あえて書かないことで感情の深さを伝えている。
「今こそ行動すべきだ」→「他のときじゃなく“今”が一番大事」という意味。
「心の花が枯れた」のような暗喩の方が設問になりやすい。
「叱られた」「振り回された」→主語がどうしようもない状況にいることを示す。
「やらせる」「行かせる」→誰かが誰かを動かしている。上下関係のヒント。
設問を見たら、まず「どの筋を聞かれているか」を判定する。判定できれば、探す場所が決まる。
| 筋 | 目印になる言葉 | 聞かれ方 |
|---|---|---|
| ①イコール(言い換え) | つまり・要するに・たとえば・比喩 | 「どういうことか」「言い換えている部分を抜き出せ」 |
| ②対立(対比) | しかし・一方・〜ではなくB・確かに〜 | 「筆者の主張は」「AとBの違いを説明せよ」 |
| ③因果(原因→結果) | だから・なぜなら・〜ため・〜から | 「なぜか」「理由を書け」 |
①は抽象と具体の関係でもある。「難しい言い方(抽象)」と「例え話・具体例(具体)」は同じことを言っている。だから具体例がわからなくても、その前後のまとめ文を読めばいい。逆に、まとめ文が難しければ、具体例から意味を推測すればいい。
記述は作文ではない。型に本文の言葉を入れるだけの作業だ。
共通ルール4つ:①本文の言葉を使う ②指定字数の8〜9割 ③句読点も1字 ④語尾を問いに合わせる。
採点は要素ごとだ。「原因」「心情」など入れるべき要素が1つ入れば部分点が入る。だから白紙にせず、要素を1つでも書く。自己採点も、模範解答と丸ごと比べるのではなく「要素がいくつ入ったか」で数える。
コツ:抜き出しの答えは、たいてい「つまり」「要するに」の後ろか最終段落にある。まとめの文=出題者が抜かせたい文だ。
論説文は「AとBを比べて片方を推す」構造(No.13)。対になる言葉を知っていれば、その軸が一瞬で見える。
意味を押さえておきたい語:相対化=絶対だと思っていたものを「一つの見方にすぎない」と見直すこと/合理化=むだを省いて効率よくすること/疎外=人間らしさが失われ、よそよそしいものになること/概念=ものごとをまとめてとらえた考え/アイデンティティ=自分が自分であるという感覚/逆説(パラドックス)=矛盾のようで真理を含む言い方。
本文でこの対を見つけたら、余白に A ⇔ B と書き、筆者が推している側に ◎ をつける。それだけで選択肢が半分に切れる。